今回は歯ぎしりについて解説していこうと思います。まずは身近だけど意外と知らない歯ぎしりついて一通り紹介した後、具体的な治し方について言及いたします。過去に歯ぎしりを指摘されたことのある方はもちろん、同居人の歯ぎしりに悩んでいる方、朝起きるとなんとなく歯が痛いのでもしかして歯ぎしりをしてしまっているのではないかと疑っている方、必読です。
まずは歯ぎしりとは何か、というところから入っていきましょう。
歯ぎしりには大きく分けて3つの種類があります。1つ目はグラインディングと呼ばれている、いわゆる歯ぎしりです。上下の歯をこすり合わせるようにするため、ギリギリといった音が出ます。その音量は人によってさまざまですが、場合によっては同じ部屋で寝ている人の安眠を妨害するような音になることもあります。
2つ目はクレンチングと呼ばれるもので、日本語だと噛み締めとなります。読んで字のごとく、睡眠中に無意識に強く、上下の歯を噛み締めてしまうものです。これは噛み締めるだけなので無音なため、他人に迷惑はかけません。ただその分、自分でも他人でも気が付かないので、発覚も遅くなる傾向にあります。
3つ目は上下の歯をリズミカルにかみ合わせ続ける「タッピング」です。寒い時に歯をガチガチと震わせるとでるカチカチ音に似ていますが、割合としては低いです。
これらが寝ている間に起こると歯ぎしりになるのですが、ではなぜこうしたことが無意識のうちに行われているのでしょうか。正確な原因はまだ判明していませんが、おそらくストレスが一番だろうと言われています。ストレスによって口周りの筋肉に凝りが出来てしまい、この凝りが原因でかみ合わせを担っている筋肉が緊張、収縮すると考えられるからです。
他にはかみ合わせが悪いと歯ぎしりが起こりやすい、という事も言われています。かみ合わせが悪いと、無意識のうちに歯列を調整しようとしてしまうのですが、それが歯ぎしりとなって現れるのです。歯ぎしりが子供に多く見られるのは顎が未発達でかみ合わせが良くないからだという説の根拠にもなっています。
それから、これはクレンチング限定ですが、力仕事が多い職場やスポーツ選手などによく見られるのが、日中の噛み締めが癖になってしまいそれが睡眠中にも出てしまう、というケース。ある種職業病と言えるかもしれませんね。
しかし、こうした歯ぎしりは睡眠中にしか起こらないものです。ならば放っておいてもよさそうですよね。しかし歯ぎしりの放置は多大なリスクをはらんでいます。
通常起きている時に私たちが上下の歯をかみ合わせている時間は、5分から長くてもせいぜい20分程度だと言われています。これは食事などでかみ合わせるのも入れての時間。一方歯ぎしりはというと人にもよりますが、一晩でこれの3倍以上、しかも無意識で力のセーブが出来ない分、日中よりも数倍強く噛み締めています。つまり歯ぎしり癖がある人は、そうでない人に比べて何十倍もの負荷を歯にかけていることになります。
こんな生活を何年も続けていると、やがては歯がすり減ってきたり、ひび割れたり、最悪欠けてしまったりします。また口から顎にかけての筋肉というのは首や頭部にまでつながっているので、夜間に歯ぎしりによってこの筋肉を酷使していると、疲れをとることが出来ずに頭痛の原因にまでなってしまいます。なので、歯ぎしりを自覚したらなるべく早く歯科医を受診するようにしましょう。
ただここで歯科医を紹介したのはあくまでも対処療法、つまり歯ぎしりによって歯が欠けないように守るためのマウスピースを作ってもらうためです。歯科医では歯ぎしりに対する根本治療は行えません。
マウスピースとはボクサーなどがしている、上あごにはめ込む緩衝材なのですが、摩擦によって歯が削れたり欠けたりするのを防いでくれる効果があります。ボクサーのマウスピースというと口が閉じられないほどごついイメージがありますが、歯科医で歯ぎしり対策に作ってもらうマウスピースは薄くて使いやすいものなので安心してください。料金も5000円ほどでできますので、歯が欠けるよりかは圧倒的に割安です。
歯ぎしりの原因は、いまだ不明です。しかし、場合によっては整体で歯ぎしりを取り除くことができます。
人間の筋肉というのはお互いがお互いに干渉しており、体全体で1つのユニットとして活動しています。なので、体のどこかのゆがみや緊張、凝りが顎周辺のゆがみにつながりかみ合わせが悪化、これによって歯ぎしりが出ているということがあるのです。ならばまずはその歪みをとってかみ合わせを良くすれば歯ぎしりはなくなるはず。そしてそれができるのが、体を整えるプロ、整体師なのです。
身体のゆがみがなくなると全身のシルエットがきれいになりますし、噛み締めていたせいで無駄に発達してしまった顎の筋肉も緩まるので小顔効果も見込めるなど、一石二鳥。歯ぎしりにお困りの方は、整体での治療も検討してみてはいかがでしょうか。