左右対称は美人顔の条件といわれていますが、実際に左右対称の顔の持ち主はそう多くいません。とはいえ眉毛の位置や顎のライン、目の大きさなどが微妙に違っていたり、ずれていたりすると、「私の顔は歪んでいるのかしら」と気になるものですね。
顔が非対称に見える場合、顔や顎に歪みがあるとわかりますが、それ以外にも、歪みが原因で出るものとして次のような症状があります。
・左右の目の大きさが違う
・ほうれい線が片方だけ深い
・上の歯と下の歯の中心がずれている
・口を開くとガクッという音がする
・笑ったとき口角の位置が違う
・左右の目を結んだラインと口角を結んだラインが並行になっていない
これらの症状に当てはまる場合、顔や顎に歪みがある可能性があります。
肌の手入れに余念がない人でも、顔や顎の歪みは予防できません。顔や顎が歪む原因は、普段何気なく行っている習慣や癖が大きいと言われているからです。では、どのような習慣が歪みにつながっているのでしょうか。
①同じ歯で噛む癖がある
食事をするとき、無意識に片方の歯だけで噛んでいるということはありませんか。片側だけで噛んで食べる癖がついていると、咀嚼筋が片方だけ発達してしまいます。もう片方の咀嚼筋を使わなくなると筋肉が衰えていくので、片側だけが筋力低下によってたるでいく原因になります。そうなると口角が上がらなくなり、筋肉が衰えて歪みが生じてしまうのです。
②頬杖をつく癖がある
頬杖も無意識にしてしまう行動の一つです。頬杖をつくという行為は、どちらかの手で頬を支えているような状態なので、肌に大きな負担がかかり、肌の代謝が悪くなり血流やリンパの流れも滞らせてしまいます。むくみやたるみ、脂肪もつきやすくなり、肌そのものを老化させる原因にもなってしまします。
③噛みしめる癖がある
歯を噛みしめる癖は顎の関節に負担がかかり、顎に歪みを生じさせる生じる原因となるので要注意です。精神的なストレスを感じると交感神経が優位に働くので、周囲の筋肉が硬直し、自然に噛みしめてしまうのですが、それに伴い、頭痛、肩こり、耳鳴り、顎関節症を誘発したり、歯をすり減らしたりといったことも起こってきます。
④寝る姿勢がいつも同じ
寝ている間は無意識なのであまり自覚がないと思いますが、同じ方ばかりを下にしていると、寝ている間に片方の顎や頬に圧力がかかり、歪みの原因になります。
⑤姿勢が悪い、足を組んで座る
顔や顎ばかりではなく、日頃から姿勢や座り癖にも気をつけていないと、顔に歪みが出る可能性が高くなります。
顔の歪みを引き起こしている原因は主に生活習慣からくるものが大きいので、毎日矯正することで少しずつ歪みを改善することができます。ここでは自分でできる顔の歪み解消法を紹介します。
●割り箸を使う
割り箸を割って1本にし、口角が下がっている方の奥歯で3分ほど、強く噛み続けます。次に左右の奥歯で5分噛み続けましょう。口角が下がっているほうの奥歯を意識するとより効果的です。
●歪み解消エクササイズ
筋肉がこわばっていると歪みは解消しにくいもの。顎周辺の筋肉を緩めてあげることも大切です。
リラックスした状態で口をポカーンと開き、頭を5秒ほどかけて右へゆっくり方向け、同じ時間をかけて正面に戻します。左も同様に行ってください。
次に、頭を5秒かけて右を向き、同じ時間をかけて正面に戻します。左も同じようにしてください(左右5回ずつ)。最後にゆっくり上を向いて10秒キープしましょう。
また顎の関節や筋肉が凝っていると、関節がずれたり片方の筋肉だけが凝りすぎて顔が歪んだりすることがあるので、凝りを解消することでバランスを整えることができます。まず両方のこめかみに手のひらを当て、口をパクパクと開閉します(30回程度)。つぎに下顎だけを左右に30回動かします。
●頬の凝りをほぐすマッサージ
食事をするときに使う頬の筋肉がこわばると顔の歪みの原因になるので、ここの筋肉をマッサージして柔らかくしてあげましょう。
手の平を頬に当てて歯を食いしばり、そのときに盛り上がった部分を覚えておきます。盛り上がった筋肉部分を指の腹でクルクルとマッサージします(1回2〜3分)。このマッサージを1日数回行いましょう。
●上半身のズレを改善するストレッチ
顎の歪みは、上半身のズレからくる場合もあります。たとえば片方の手でずっと荷物を持ったりすると、上半身にズレが生じやすくなります。
肩幅に足を広げ、両方の足に均等に体重をかけてください。次に腕を胸の前で組み、その状態で体を左右にゆっくりねじります。さらに腰を支点にし、上半身を左右に傾けたり、左右の斜め前に倒したりしましょう。これらを各5回ずつ行ってください。
●両奥歯で噛む癖をつける
片方だけで咀嚼する癖は治りにくいので、日頃から意識して両方で噛むようにしましょう。ガムを左の奥歯で10分間、右の奥歯で10分間噛み、これを1時間、1日2〜3回行いましょう。ガムを噛むことで両方の奥歯での咀嚼を癖にします。
●歯並びをよくする
噛み癖が出やすい原因の一つに歯並びがあります。歯並びが悪いと両方の奥歯で咀嚼がしにくかったり、下顎が前に出てきたりすることがあり、これらが顔や顎のズレにつながることがあります。ストレッチやエクササイズなどでも症状が改善されない場合は、歯並びが原因であることも考えられるので、一度歯科医に行き歯並びをチェックしてもらうとよいでしょう。最近は大人になってから矯正を始める人も多いので、諦めずに相談してみてください。