出産を機に腰痛や肩こりなどの症状だけではなく、骨粗鬆症や他の疾患にかかったりすることが多い。これは胎児が母体にいるとの栄養源として母体から栄養をもらっていることも関係している。補足ではあるが、胎児は発生当初、寄生虫として母体に認識されるので、つわりは寄生虫を排除しようという防衛本能の表れである。胎児が大きくなると、それに伴ってお腹も大きく張り出すためにバランスを取ろうと上体を反った状態になる。この姿勢が腰に負荷を加えている原因の一つ。他にも骨盤の筋肉や靭帯が女性ホルモンの影響でゆるくなり、骨盤がひらくことで骨盤が体の土台としての機能を弱めてしまうために腰椎が不安定になり負荷がかかることもある。出産時は胎児が産道を通過するが、これが母体にとっては大きな負荷になる。これらのことから一度の出産にかかる母体への負担はとても大きいので、出産後に腰痛やその他の症状を発症することが少なくないのだ。
産後にはしばらくすれば骨盤も開いたものが戻っては来るのだが、大きくゆがんだ骨盤や母体が受けた負荷などはなかなか自然には元に戻ることはない。人間は負荷を受けると骨盤や背骨をゆがませることで体を対応させようとしてしまう。しかし、ゆがんだ骨盤や背骨では本来の自然治癒力が失われているので体がうまく自分を修復できないままでいる。そういった場合には、まずしっかりと骨盤と背骨の歪みを整えることが症状改善の最初の段階になってくる。