膝の捻挫と言うとあまりパッとイメージが浮かんでこないかもしれない。捻挫で一番に思いつくのは足首や頚椎もことだと思うが、膝はそれらに次いで症例が多い部位である。
まず捻挫とは、付着している筋肉や靭帯が通常の可動性を大きく超えてしまったために起る損傷の事である。主に外部からの衝撃が多い。特に膝はほとんど筋肉ではなく、靭帯で支えられているために外部からの衝撃に弱い部分でもある。損傷を受ける部分で多いのは内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯、の四つである。バスケットやバレーボール、アメリカンフットボール、ラグビーなど、膝に負担がかかりなお且つ接触プレーの多いスポーツで怪我をすることが多い。日常生活ではしゃがんだ状態から立ち上がる時に負荷をかけたり、階段の下りでバランスを崩して片足に体重が乗ってしまったり、変な体勢から起き上がろうとした時、また急なエクササイズなどをしたとき、などが考えられる。
気を付けなければならないのは、靭帯の損傷なのか断裂なのかである。損傷の場合固定で改善が見込めるが、断裂の場合は固定していても自然にくっつくことはないので手術が必要になる。
急性期には足首と同様に、安静、冷却、圧迫、挙上、がメインである。慢性期には大腿骨、脛骨、腓骨の関節のゆがみをしっかりと整えるべきである。膝は圧力のクッション作用部分であるので膝にゆがみが残ったままだと十分に圧力を逃がすことが出来なくて、骨盤や股関節に負荷をかけてしまう。その場合、腰に問題はないのに腰痛が改善しなかったり、足の左右の長さの差の原因にもなってしまいます。