足がしびれる!電気が走るようなぴりぴりとした痛みを感じる!長時間同じ体勢を続けられない!坐骨神経痛の痛みと言うのはなかなか一筋縄ではいかないことも多く、本当に辛いものですよね。
打ち身や捻挫などと違い、症状の原因となる場所と痛む場所が違うのもケアを難しくさせる要因のひとつです。坐骨神経痛は腰を通っている坐骨神経が干渉されて起こる症状なので、痛い場所をマッサージしてみても持続的な効果はほとんど望めません。さらに厄介なのが、何もしなくても痛むことがあると言うことです。何か運動をしたときに痛むと言うのならまだしも、日常生活の中で痛みが起こってしまうのですから、リラックスすることもできません。ここで生まれる緊張状態がまた神経に悪影響を及ぼし......と痛みのループにはまってしまう方も多くいらっしゃいます。
そこで今回は、せめて痛みを忘れられる時間を作ってもらえるように、座るときの注意点や痛みを感じにくい座り方をご紹介しようと思います。常に痛みが頭をよぎっていると抑鬱な精神状態を引き起こし、更なる不安の種につながりかねません。痛くない座り方をマスターして、きちんとリラックスできるようにしましょう。
まずは座る際に気をつけるべきポイントをご紹介します。
一番意識してほしいのは、体の歪みです。人は、利き手利き足や日々の生活の癖のせいで、知らず知らずのうちに体を歪めてしまっていることが多くあります。これははっきりいってある程度までは仕方のないことです。しかし歪みは放置しておくと、骨盤や背骨など人体の中で大きな役割を占める箇所にまで伝播していきます。やがて脊椎や腰椎の変形や、周辺部の筋肉にコリを作るようになると、坐骨神経痛が現れるようになるのです。つまり、坐骨神経痛を抱えている方にとって一番痛くない姿勢は、このような歪みがない状態のことです。当然座るとき同様。痛くない座り方とは、歪みのない座り方と言い換えられます。
そのために左右均等に体重をかけるように心がける、前後のバランスが悪くならないように猫背は避けるなどの意識が重要です。足を組むなんていうのはもってのほか。どんどん歪みがひどくなってしまうので絶対にやめましょう。
では具体的な座り方をご紹介します。
床に座る場合
まずは床に座る場合から。床での座り方において一番理想的なのは正座です。正座をすると自然と背筋も伸びますし、また体重も左右均等にかかるようになるので、歪みからは一番遠い姿勢と言えます。ただ、坐骨神経痛の症状によっては痛みを感じてしまうかもしれませんし、それにそもそも慣れていない人にとって長時間の正座というのは苦行でしかありません。そこでお勧めなのが両足を投げ出して90度ほど開いた状態です。このとき骨盤を立てて背筋を伸ばさなければならないのですが、初めてだったり体幹が弱かったりするとふらついてしまって難しいかもしれません。そんなときには腰の両脇に手をつくと安定します。本を読むなど手を使った作業はできないかもしれませんが、テレビを見る際などには心がけてみてください。
足を投げ出す以外だと、あぐらもいい座り方です。ただあぐらだとどうしても浅い座り方になって骨盤が後ろに傾いてしまいますので、背もたれがある状態なら腰の下にクッションやタオルを置くなどの工夫をしましょう。その際も背筋を伸ばすことは忘れずに。自分の背骨から頭頂部へと通る線がまっすぐ天井に伸びていく様をイメージすると、姿勢がとりやすいです。
椅子に座る場合
椅子に座るのだって基本は変わりません。前後左右に体重が偏ることがないように気をつけましょう。まず背筋を伸ばした状態で椅子に背を向けて立ちます。そして背筋はそのままにひざを抱え込むようにして股関節を曲げていき、椅子に深く腰を下ろします。最後に背もたれに背中を預けたら完成です。こうすれば腰だけに圧力が集中しないため、余計な負担はかかりません。また、背筋をぴんと伸ばして足も自然体でいれば左右のバランスが悪くなることもありません。きちんと座れていれば、痛みはほとんどないはずです。
理想はこの姿勢になったとき足の裏がぴったりと地面につくこと。もし難しいようでしたら足もとに調整できるタオルや雑誌などを敷きましょう。新しい椅子の購入を考えているのなら、この基準を参考に選んでみてください。
床に座るにせよ椅子に座るにせよ前後左右のバランスを悪化させるよう足組みや女の子すわりはNG。きれいな姿勢を頭の中でイメージしながら座れば、そんなに難しくはないはずです。
楽な姿勢を見つけたからと言ってずっとその姿勢、というのも考えものです。そうすると全身の筋肉が凝り固まってしまって、坐骨神経痛が悪化するどころか新たな体の不調が出てきかねません。そこで椅子に座りながらできるストレッチもご紹介します。
まず痛みを感じる方の脚の足首をもう片方の太ももに乗せます。あとは背筋を伸ばしたまま上体を前に倒すだけ。もしバランスがとりにくいようでしたら、軸足ごと抱えるようにしてもOK。お尻から太ももにかけての筋肉が伸びるはずです。30秒キープを3セットほど行えば、下半身が軽くなってきますよ。
こういったことは、習慣にすることが重要です。痛くない座り方と座りながらできるストレッチを生活の中に取り入れて、きちんとリラックスしながら歪みのない体を目指しましょう。