運動不足は肥満を招き、腰痛をはじめとする病気の原因になる。適度な運動を行うことは、筋肉や骨の強さの維持 につながり腰痛の予防にも効果を発揮する。しかし、適切な形で運動を行わなければ、逆に腰痛を引き起こすことがある。
例えば、「腹筋や背筋が弱っているから、バランスが悪くて腰痛になる」とよく言われている。実際にはそういう人もいるかもしれないが、そのほとんどは腹筋よりも内側にある大腰筋という筋肉の硬縮が原因である。本来の働きができていないという面では弱化とよべるかもしれないが硬縮と弱化とでは意味が違う。わかりやすく言えば、筋肉に負荷をかけると、その負荷に対応しようとして筋肉は太くなる。ここで柔軟性を出せるように筋肉をストレッチすると、強く柔らかい筋肉になる。しかし、ストレッチを加えなかった場合、収縮したままの堅い筋肉が継続されてしまう。収縮したままでは本来の働きが失われてしまうので他の筋肉を堅く緊張させて体のバランスを保とうとするのだ。この補正の緊張が体から柔軟性を失わせてしまい、腰痛へと発展してしまうのだ。この補正はあくまで副産物なのでいくら揉んだりしても、大腰筋は伸びてこない。つまり原因が治らない。
この状態で腹筋やら背筋を鍛えようとすれば、負荷に負荷を積み重ねるだけなので得策とは言えない。まずは大腰筋に柔軟性を出せるようにするのが先決だ。