兆候:下腹部痛、血尿
結石は、多くは腎臓で形成される。腎盂・腎杯内に結石がある場合は自覚症状に乏しいことが多く、検診で尿潜血を指摘され、精密検査して初めて発見されることもある。腎杯頸部はやや狭いため、結石が形成されやすく、また形成された結石が通過しにくいため、腎杯が拡張して軽度の鈍痛が起こることがある。腎盂尿管移行部も、尿管の生理的狭窄部位のひとつであるため、腎盂で結石が大きくなることがある。腎盂の形に鋳型状の結石が形成されるサンゴ状結石は、腎結石の終末状態。尿管結石は、腎臓で形成された結石が尿管に落ちてきた場合の結石。尿管には、腎盂尿管移行部、血管(総腸骨動脈)交差部、尿管膀胱移行部の3カ所に生理的狭窄部部位がある。前述したように直径8mm以下の結石は、尿管 を通過して自然排石が期待でるが、このような生理的狭窄部位では結石の通過は簡単ではなく、このため尿流の停滞を起こして水腎症を呈することがある。結石が尿管で通過障害を起こすと、激痛が生じる。患者さんは七転八倒するような痛みに見舞われ、冷や汗が出たり、不安におそわれる。